ホームレスから父に成る!

ホームレスだった男の育児と日々の雑感

正しいやり方ではないが、それが最善のときもある。

21時
会議から帰宅すると
寝室から息子の泣き声がする。


いつもの泣き方と違うようだ。


寝室に入ると
かみさんがうなだれた息子の頭を撫でている。


「くるしいよー、、ゲホゲホ、、くるしいよー」


声にならないような小さな声を出し
涙目で息子がうなされている。


どうしたと訊くと
痰が絡まって苦しいみたいとかみさん。


息子は2歳。
まだ自分で鼻をかむこともできない。
痰を吐き出すのは無理だ。


「くるしいよー、、ゲホ、ゴボボ、、」


喉の奥から
痰が溜まっている嫌な音がする。




私は素早く風呂場に向かい
風呂桶とタオルを持って戻る。


「吐いたほうが楽になるぞ」


言うと同時に
私は左手の人差し指を
息子の喉の奥に突っ込む。


息子は嫌がるが
私は右手で息子の首を軽く押さえる。


喉を傷付けないよう慎重に
あと爪ひとつ分ほど奥に指を入れる。


すると息子は
風呂桶にコップ半分ほど
見た目で100ccより多い程度の痰を吐き出した。




私は痰を洗面所に捨てて戻る。


「、、ゼヒ、ゼヒ、、ありがと、おっとー、、ゲホ、、ゴブ、、」


少し呼吸が楽になったようだが
まだ痰が絡んでいる音がする。


「もう一度やるよ」


有無を言わさず
再度、指を入れる。


先程より息子の抵抗が強い。


噛まれないよう
頰の裏側から喉に指を入れるが
息子の抵抗のため指がずれて噛まれた。


かなり痛いが
無理矢理に力を込めて指を引き抜けば
2歳の歯が折れてしまうかもしれない。


息子の舌の上を滑らせるように伸ばして
指先に力を込めて舌の付け根あたりを押す。


反射のためえづき
自然と口が開く。


刹那、爪ひとつ分を奥に。


いましがた出た痰の半分ほどが
風呂桶に吐き出された。


呼吸はある程度の落ち着きを取り戻す。




指を突っ込むのは
排痰の正しいやり方ではない。


息子は鼻水で鼻は詰まり
喉は痰が絡み呼吸がままならない。
タッピングや体位ドレナージのような
悠長なことをやっている時間は無いように思えた。



私自身が子供の頃に
風邪か何かで痰に苦しんだことがあった。


そのとき車で病院に向かう際に
乗り物酔いして嘔吐した。


すると痰が全て吐き出され
すっきり楽になったというのが
私のアポステリオリだ。




深夜3時
息子は熱にうなされている。
37.3度の熱発だ。


声掛けすると反応あり。
意思疎通可能。


この分なら大丈夫だろうと
就寝する。




翌日、かみさんが病院に連れて行き
ウイルスによって熱発したらしいとのこと。


点滴のソリタを2本入れたようだ。
点滴に4時間以上かかっている。


眠れなかった息子は
点滴中にぐっすり寝て大分回復している。


かみさんはあまり寝れていない中で
0歳の娘を抱いたまま
点滴に付き添いをしてくれた。


かみさんには
本当に感謝している。


ありがとう。