ホームレスから父に成る!

ホームレスだった男の育児と日々の雑感

2歳児の眠れない夜

22時
2歳の息子が布団に新幹線を持ち込み
カチャカチャ鳴らしている。


家族一緒に川の字になって就寝している傍らで
かみさんが何度も寝なさいと促している。



新幹線のカチャカチャ音が気になり眠れない。
たまらず私は「うるさいよ」と声を出す。


それでも息子は静かに新幹線を触り
遊び続ける。


そのうちに隣の部屋に行って遊んだり
布団に戻ったりし始めた。




かみさんが
「寝ろって言ってんだろ」と怒気を孕んだ調子で唸った。


私はぼんやりとしながら
布団から薄目で次第を見守っていた。


まどろんでいたので定かではないが
かみさんは起きようとする息子の頭を押さえつけ
無理やりに寝かしつけようとしているように見えた。


息子は逃げるように隣の部屋に消えた。
ふんと息を吐き捨てかみさんは布団に潜り込んだ。



私はかみさんの乱暴な言葉遣いと
息子の頭を押さえつけている様子を目の当たりにし
目が覚めてしまった。


少し待っても息子が寝床に戻ってこない。
私は起き上がり息子のもとへ。


息子はコタツで横になり
小さく新幹線を動かしていた。



「寝れないのかい?」


私が声を掛けると
カーテン越しの月明りでも
息子が笑顔になるのがわかった。


「いっしょにあそぼ? しんかんせんで、あそぼ?」


ここで私が考えていたのは
彼が本当に「遊びたい」のかどうかだった。




私の前職は特養老人ホームの介護員だ。
その際の認知症利用者の不穏時の対応を思い出していた。


認知症利用者は
空腹であったり喉が渇いていたりいても
それを自身が理解できず
イライラして暴言暴力行為や徘徊をし始めたり
問題行動につながるケースが多かった。


空腹や喉の渇きは
それを提供すれば落ち着くが
精神的な不安感からくる問題行動には骨が折れる。


その不安を見つけ出し取り除くか
もしくは気を逸らし、不安を忘れさせるかだが
どちらにせよ難しい。




夜22時に起き出して暗闇の中で遊び始める。(問題行動)


(要因)
・遊ぶ時間が足りていない
・母親の乱暴な言葉遣いと押さえつけられた不安
・夕食を残している


普段と違う行動を起こすとき
問題行動につながる何かしらの要因があるはずだと考える。




2歳の息子と月明りの中で
新幹線で静かに遊ぶ。


「お腹は空いてないかい?」
少しして私は声掛けする。


「、、うん」
息子は笑顔で頷き
コタツから出て冷蔵庫を開けた。


キャンディチーズを1つと
ピルクルのヤクルトサイズを1本
息子はすぐさま平らげた。


一番簡単な部分の
空腹口渇への提供から攻めたが当たりだったようだ。


息子と共にコタツで横になり、頭を軽く撫でる。
もう新幹線を触る力も無く眠りにつく息子。




2歳であっても人間だ。
眠れないときもあるだろう。


寝る時間だからと
無理やりに力ずくで横にして頭を押さえつけ
寝かしつようというのは極めて悪手に感じる。


力ずくで対応してしまえば


うるさいから口を塞ぐため猿ぐつわをかませたり
動き回らないよう柱に縛り付けたり
親の言うことを聞かないからと衣装ケースに閉じ込めたり


それが延長線上にはあると私には思える。




2歳であっても人間だ。
眠れないときもあるだろう。


2歳児が遊びだした夜こそ

「今日は雲の無い夜で月がキレイに見えるね」と
子供と話ができる親でありたい。


ありがとう。