ホームレスから父に成る!

ホームレスだった男の育児と日々の雑感

2歳児の寝かしつけ

20時

ねんねの時間だが

2歳児は遊んでいるため食事が終わっていない。


かみさんは習慣付けのため

2歳児が食べ終えていないが器を下げ始める。


慌てて2歳児はそれを止める。

「たべる!たべるよ!」


「あなたが遊んでいつまでも食べないからでしょ」

かみさんの声が私には冷たく響く。



なんとか2歳児の食事を終え

かみさんは目覚めた0歳の娘を再び寝かしつけている。


かみさんは0歳児の寝かしつけに

スマホでオルゴールの音色を小さく流し

それに合わせて小さくハミングする。



2歳児は寝床ですぐには寝付けない。


かみさんに抱きついたり

寝床で足をバタバタと遊ばせてみたり

扇風機のスイッチを連打してみたり落ち着かない。


その度にかみさんは2歳児に繰り返して言う。


「うるさい」

「はやく寝てよ」

「◯◯ちゃん(0歳児の名前)が寝てるんだから静かにしてよ」

「(寝床で抱きつかれて0歳児が起きてしまうため)あっちいってよ」




私から見ると

これらは全て悲しい悪手だ。


なぜ2歳児が寝付けないのか

考えていない。




私が子供の頃の話をかみさんにしたことがある。


私には姉がいた。


姉は小学校に入ると

ピカピカの新しい学習机を買って貰えた。


私には遠縁の家から

使い古してキズだらけでシールを貼って剥がした跡が目立つ

錆びついた机を親が貰ってきた。



姉は新しい自転車を買い与えられた。


私には知り合いの家から

踏み込む度にガタリと地面にペダルが落ちる半分壊れた自転車が当てがわれた。



姉は部屋がほしいと言うと

六畳間が用意された。


私は部屋がほしいと訴えても

他に余分な部屋はなく

姉の部屋にボロ机を置いてもらうことが許されたのみで

姉の部屋には濫りに入れなかった。



高校を卒業すると

姉には学費が用意されていた。


私は上京し新聞奨学生として

学費を稼いだ。


かみさんにこれらを話し

子供達に差を付けないで育てたいと伝えてある。




「あっちいってよ」


0歳児に優しく子守唄をハミングしている母親から

冷たく突き離された2歳児は

独り寝室を出た。


私は静かに起き上がり

暗闇の中で2歳児を追う。


2歳児は

そろそろ片付ける時期が近くなったコタツに

スイッチを入れず潜り込んでいた。



私は何も言わず

2歳児の頭に自分の頭を近づけ横になる。


2歳児は小さな声で

ゴードンがぶつかっちゃうぞーなどと呟きながら

私の腕を握った。



私はいつもするように

2歳児の頭を撫でた。


「◯◯ちゃん(息子の名前)、ありがとうね。」


私は息子に静かに伝えた。

なにに対してのありがとうかは言わなかった。


2歳児は独り言を止めた。


私は2歳児の頭を撫で続けながら

もう1度、静かに伝えた。


「◯◯ちゃん(息子の名前)、いつもありがとうね。」



私は2歳児の頭を優しく撫で続けた。

2歳児は私の手を握ったまま

5分とせず寝息を立て眠りについた。




かみさんは

0歳の娘に子守唄を聴かせながら

2歳児には冷たく言い放つ「強烈な」悪手に気付いていない。


寝床で冷たく突き離される2歳児は

0歳児の子守唄をどんな気持ちで聴いているだろうか。


かみさんは差を付けているつもりは全く無いのだろうが。




いつまでも遊んで食事を終わらせない

0歳児の寝かしつけを邪魔をする

寝ようとしない


それらにイラ立ち、対応が冷たくなる。


なぜ、2歳児が

そういう行動を、しているか

かみさんは考えていない。


簡単に言えば、北風と太陽だ。




手の空いている私(父親)が

2歳児の寝かしつけをすればいいという安易な問題ではない。


2歳児は

母親に優しく接してほしい渇望がある。

それは悔しいが、母親にしか出来ない。



0歳児の寝かしつけがあるからと

2歳児をおざなりにしていい道理はない。




2歳児は私の言うことは素直に聞く。

かみさんの言うことはなかなか聞かない。


ズボンを履いてというときに

ふざけてなかなかズボンを履いてくれず

かみさんは苛立つ。


2歳児が母親をなめているわけではない。


ふざけて履かないのは

0歳児に付きっきりの母親が

自分(2歳児)と関わる瞬間が嬉しく

少しでも長く母親と関わりたいからではないか


私はそう考えている。




なかなか寝ない2歳児の寝かしつけに必要なのは

安心感だ。


1日中を0歳児ばかり見ている母親に

寝る前に振り向いてほしかったから

2歳児は寝なかった。


自分を見てくれない不安から2歳児は寝付けなかった。




これをどうかみさんに伝えるかが問題だ。


かみさんの気を折らずに伝えるには

慎重な言葉選びと

太陽の暖かさが必要だ。


いまの気分を言葉にするなら

やれやれ、、だ。



愛は、骨が折れる。


ありがとう。