ホームレスから父に成る!

ホームレスだった男の育児と日々の雑感

父の激昂

一年で最も重要な会議を終えた。


対応に追われ時間を作ることが難しかったが
どうにか滞りなく閉会した。




0歳の娘が
いよいよハイハイし始めつつある。


ぐっと足に力を籠めると少し前に出る。


娘の近くの物なら
掴めるようだ。




その成長を受けて
2歳児の電車遊びが難しくなっている。


2歳児は100円ショップのモーター付き電車と
モーター付き電車用の線路で遊ぶようになっている。


線路は大きく場所を取り
居間のどこに置いても0歳の娘が手を伸ばせば掴めてしまう。



0歳児は線路を掴んでは振り回すため
2歳児は遊べないストレスから泣き声で訴える。


「〇〇ちゃんを、あっちにどかして!」


ソファやパソコン机、テレビなどある居間では
1mを離すのがやっとだ。


すぐにまた0歳児は
線路を鷲掴みにして振り回す。




私は出勤の支度をし
かみさんは朝食の用意をしていた。


不意に0歳児がああんと泣いた。
いつもの泣き声と少し違う。


見ると0歳児は前のめりに倒れ
線路が顔に当たっている。


「あらあら、押しちゃダメでしょ」


かみさんが2歳児に対して窘め
2歳児は泣いている妹を困ったような顔で眺めている。



かみさんの窘めが終わらないうちに
私は大きく息を吸い込むと
声が裏返らないよう気を付けながら
可能な限りの声量で2歳児に言葉を放つ。



「おい!!!!!!!!!!
 なにやってんだ!!!!!!」



普段に大声を出すことなく
注意を促してきた私が
出したことのない大声で怒鳴りつけた。


冷静に努めて

静かに伝えようと思えばそれはできた。


大きな声で怒りを伝えなければならない場面だと思った。


2歳児は父親の激高に

身をすくませる。



捲したてるように言っても

伝わらなければ意味がない。


私は眉間に皺を寄せて睨み

低く静かにゆっくりと唸るようにして

2歳児に怒りを伝える。



0歳の妹は

まだ言葉もわからず

受け身もとれない。


話してもわからないから

自分のほうが強いからと

力尽くで押し倒していいなら


父親も2歳児に対してそうするぞと


2歳児の背中を左手で支え

右手で2歳児の肩を押し込み

ゆっくりと力強く押して倒す。


「こうされたら嫌だろ」

「うん、やだ、、」


2歳児は泣き声で言った。




2歳児に対して

うまく怒りを伝えられたかは疑問が残る。


もっといい伝え方があるようにも思える。


父親としての未熟が

声を大きくしただけかもしれない。




帰宅すると

2歳児はバルコニーに線路を持ち出し

モーター付き電車を走らせていた。


「ここなら◯◯ちゃん、こないから」

2歳児は笑顔で私に言う。


彼なりに

まだ言葉のわからない妹への配慮を示したようだ。



私は2歳児の頭を

いつものように撫でた。


ありがとう。