ホームレスから父に成る!

ホームレスだった男の育児と日々の雑感

2歳児とザリガニ釣り

休日の会議を終え

午後より2歳児と共に

近所の人工の小川に出向く。


日差しは強く

市から熱中症の警戒メールが来ているが

暑さの中でザリガニ釣りを試みる。


先日に購入していた100円のスルメを

割り箸に小さな目玉クリップで装着する。


人工の小川には

メダカのような小さな魚

それより小さい半透明なエビが泳いでいる。



小川に到着すると

ほどなくザリガニを発見。


2歳児より

私の気持ちのほうが高揚している。


割り箸を突っ込み

先端に付けたスルメをザリガニに挟ませる。


私が子供の頃に見たザリガニと比べ

半分ほどの大きさだ。


ハサミが小さく

スルメをうまく挟んでくれない。


2歳児が固唾を呑んで見守る中

4匹のザリガニを釣り上げた。


2歳児は

おっかなびっくり覗き込んでは

きゃきゃきゃきゃと笑顔。




ひとしきりザリガニを弄ぶと

2歳児はあらぬ方向に走り行く。


見ると、小川に水を流し入れる像で

オムツパンツを付けた子を父親が水浴びをさせている。



2歳児は

自分も水浴びしたいと私に訴える。


ザリガニが暑さで弱ってきていたので

可哀想だから逃がしてあげていいかと訊くと

予想外に2歳児はあっさり承諾した。


ザリガニを手放したく無いと

所有することに執着すると思ったが。



私はザリガニを入れた器を2歳児に渡す。


すると2歳児は

器を小川にゆっくりと沈め

ザリガニが自ら器を出て行くのを眺めて待った。


ザリガニは小川の流れに乗って

緩やかに石の陰に帰っていく。


2歳児はゆっくりザリガニを眺めたかっただけかもしれないが

私には2歳児の生物に対する優しさに思えて嬉しかった。


小川の上から器をひっくり返し

ザリガニを乱暴に小川にぼちゃんと落とすと予想していたからだ。


私が思っているより

この2歳児は心的な成長をしているのかもしれない。




希望どおり2歳児は水浴びをする。


2歳児がパンツも脱ぐというので

素っ裸で水浴びをしている。


小川と言っても街中にある。


全国チェーンのラーメン屋やガソリンスタンド

住宅街に面している中での水浴びだ。


そもそも水浴びする場所ではないため

目立つことこの上ない。



フルチンで水浴びしている2歳児に

私は気恥ずかしさがあったが

きゃきゃきゃきゃと大喜びではしゃぐ彼を見て

すぐに考え直した。


2歳児に存分に水浴びを楽しんでもらうため

私もずぶ濡れになりながら

ケタケタケタケタと笑いながら

2歳児の調子に合わせ戯けた。


きゃきゃきゃきゃ

きゃきゃきゃきゃ

バシャバシャバシャバシャ

ケタケタケタケタ

ケタケタケタケタ

バシャバシャバシャバシャ


小川に沿って通る車道から

信号待ちで車が停まるたびに

視線が刺さることは感じていた。


私は公園のベンチで寝起きした経験から

視線が刺さることに動じなくなった。


信号待ちで車が停まり

車内から女性が声をかけてきた。


「最近、珍しいですね、そういうの。」笑顔


フルチンで水浴びさせることかなと

すぐに理解できた。


「暑いですからね。」笑顔


女性の声掛けに対する私の返答は

いささか的外れな気がして気恥ずかしかった。


すると、信号待ちにも関わらず

女性が車を降りてきた。


「よかったら、これ食べて!」

酒のつまみのスナック菓子1袋と

さくらんぼ1パックを女性は差し出した。


突然のことに

私は面食らって混乱した。


「え!いいんですか?」


「いいから!いいから!」


「ありがとうございます!」



我ながら

少しは遠慮ができる大人になりたい。


そしてまた

私もこの女性のような自由な行動ができるようになりたいと憧れる。





2歳児はそのスナック菓子を

大いに気に入り一気に食べ終えた。


さくらんぼは甘く

とても美味しかった。


いい夏になりそうな予感をさせる

7月の暑い1日だった。


ありがとう。