ホームレスから父に成る!

ホームレスだった男の育児と日々の雑感

父の幻影

どうなっても知らんぞ

勝手にしろ


幼い私に

父親は言い放った。




30余年が過ぎ

同じ冷たい言葉を

息子に言い放つ悪手。


どういう結果が待ち受けているか

自分で考えて行動をしてもらいたかった。


しかし気付けば

遠き日の父親と同じ言葉で

息子を突き放した。




頭と身体を洗いなさい


いやだ




痒くなるぞ


いやだよ




いやだよ


やめて



やめてよ


うああああん



おっかーとこいく

おっかーとこいきたい

いかせて

いかせてよ



頭を洗わないと痒くなるだろ


やめてってばあああ



わかったよ

どうなっても知らんぞ

勝手にせえ




3歳になる息子は

顔が濡れることを怖がる。


愛とは相手を考えること。


できる限り

怖くない方法を考えて

洗髪をアプローチすべきなのに


シャワーを怖がる息子に

無理強いをして洗髪を強行する。


当然の抵抗と訴えに対し

勝手にしろと

相手を考えることを止める悪手。




私が幼い頃

頭皮にはべったりとした

フケがこびりついていた。


幼い私は

しばらくそれがフケとわからなかった。


頭を掻くと

何かが指に引っかかる。


頭皮からぺりぺりと剥がれる

半透明な白いかさぶたのような。


成人して

あれは何だったのか考えて

やっと思い至る。


親は

私を触りたくなかったのだと。


点と点が結ばれるように

私に対する親の全ての行動を理解して

縁の一切を断つ。




勝手にしろ


この父の幻影が

愛の関係を

どう帰結させてしまうか


理解しているはずなのに。




自分が愚かで、情けなく、悲しい。




「勝手にしろだなんて、言っちゃいけなかった。

もっと考えるべきだった。


おっとーが悪かったよ。


ごめんな。、、許してほしい。」


ポケモンを静かに観ていた

3歳になる息子は私を振り返り

静かに私を抱きしめてくれた。


ありがとう。




すまなかった。


ほんとうに

ごめんな。