ホームレスから父に成る!

ホームレスだった男の育児と日々の雑感

3歳児の号泣お片付け

夕食前
かみさんが夕食の支度をしながら
3歳児に声掛けする。


「ちょっと散らかってるから片付けて」
3歳児はDVDを観ながら生返事を返す。


0歳児はぎゃあぎゃあ泣き出し
かみさんからため息が零れる。


私は体調悪から伏していたが
0歳児の泣き声を放っておくわけにはいかず床を出る。
私が傍に行くと0歳児は泣き止んでくれた。




かみさんは再び3歳児に促す。
「片付けてよ」


3歳児はパソコン机に器用に寝そべりながらDVDから目を離さず
パソコンの下に並べてある10頁程度の薄い絵本を人差し指で弄び
ひとつ、またひとつと絵本を落とし始めた。


私は(ここだ)と思った。




なんとなしに絵本を落としている3歳児を横目に
絵本と並んでいる全ての物を、私は力無くゆっくりと落としていく。


絵本
DVDの入ったケース
紙類
オモチャ類


私はばさばさと落とす。




父親の異常行動を察知した3歳児は
はっとして叫ぶ。
「やめて!! やめてよ!!」


母親の促しに耳を貸さなかった3歳児と同じように
私はなんとなしに物を落としていく。


ばさばさばさ、、どさどさどさ、、


「やめてっってば!!」
3歳児が泣き顔で怒っている。




「片付けないなら、いらないんじゃないの?」
「いる!、、いるよ!」


「じゃあ片付けないと、、」
「、、、、」



3歳児の片付ける意思を確認できないため
私は続ける。



ばさばさばさ、、どさどさどさ、、


「やめてってば!!、、やめて!!」


棚に並べてある図鑑も、ぬいぐるみも、ミニカーも、線路も、
父親が全てぶちまけていく。


ばさばさばさ、、どさどさどさ、、




「かたづけるから!、、かたづけるよ!!」


3歳児はヤケクソ気味に叫び
線路の入った箱を棚に戻そうと必死だ。


片付けなければ
時間が来ればどうなるか
彼は理解している。







しかし、あまりにも多くばさばさと落としたため
線路の箱は、本やら何やらに引っかかって元通り棚に入らない。


「はいんない!、、はいんないよお!!」
3歳児は必死だ。


私はいつもどおりの口調で伝える。


「片付けられないなら、捨てなさい。
 物が多すぎるんだよ。」


片付けを手伝ってほしかった3歳児は
梯子を外され消沈する。




なんで父親がぶちまけた物を
自分(3歳児)が片付けなければならないのか


なんで手伝ってくれないのか


3歳児は
憤り、怒り、理不尽を顔に表している。




3歳児は片付けることを止め
もとのようにパソコン机の上に器用に寝そべる。


「片付けないのかい?」
私が訊ねると、うんと3歳児は頷く。


「じゃあ、捨てちゃってもいいかい?」
私が訊ねると、「いいよ」と3歳児。


なるほど、そうきたか。




彼はこれまでの片付けでの反復により
親は結局オモチャを捨てないと学習したようだ。


せいぜいゴミ箱に入れるだけで
後から拾えばそれで済むことも学習している。




私は新しい半透明のゴミ袋を出し
床に散らばる絵本、オモチャ、図鑑、紙類、ミニカー、線路
手当たり次第に袋に突っ込んでいく。


いつもと違う捨て方に脅威を感じたか
3歳児は叫ぶ。


「やめて、、かたづけるから!、、やめてよ!」



父親は3歳児の訴えに耳を貸さず
ぱんぱんに膨れたゴミ袋は3袋になった。


ゴミ袋を3つ持った父親は
玄関ドアから出て行った。


3歳児は号泣した。




人間は、泣いた時が学ぶときだ。
何度も泣いて、より良い生き方を学んでいく。




5~6分後


私が部屋に戻ると
3歳児は力無く言う。
「、、かたづけなきゃ、だめだよね、、ごめんなさい、、」


「俺に謝るんじゃないだろう。おっかーに謝らなきゃな。」
3歳児は母親に片付けなかったことを謝罪した。


そして3歳児はオモチャを返してほしいと懇願する。


3歳児の謝罪により
私は玄関ドアの前に置いてあった3袋を取りに行く。


5~6分後
3袋を居間に置き、3歳児に伝える。



「いままでは就寝前の20時までに片付ける約束だったけど
 これからは、おっかーが片付けてと言ったときに片付けてくれよな。約束だぞ。」


「、、わかった。やくそくする。」


私はかみさんのほうを振り向き伝える。
「(おっかーも)約束だぞ。」


虚を突かれたが素早く頷くかみさん。




「よし!手を出して!」


私が手を突き出して言うと
かみさんと3歳児は同じように両手の平を見せる。


手の平をかみさんと3歳児に合わせ
かみさんと3歳児も合わせる。


「やくそく!やくそく!やくそくぅ~!♬」


3人はケタケタ笑いながら
笑顔で約束を叫んだ。


0歳児が
とことこと慌てて近寄り
まぜてと言わんばかりに両手の平を3人に見せた。



ありがとう。