ホームレスから父に成る!

ホームレスだった男の育児と日々の雑感

3歳児の涙の跡と 父の悲鳴

100円ショップで購入した線路と
モーター付き山手線で3歳児が遊んでいる。


しばらくは1歳児が山手線を取っては
3歳児を泣かせていたが


1歳児が昼寝したため
ようやく思う存分
電車を走らせて遊んでいる。




私はコタツで横になり
うとうとしていた。


3歳児が私の頭で山手線を走らせた。
眠かった私は反応が遅れる。


刹那


頭部に激しい痛みが走り
私は慌てた。


「痛い!痛い!いたたたた!
 ハサミ!ハサミをくれ!」


私はコタツに入ったまま突っ伏し顔を床に付け
かみさんに助けを求めた。


私からは3歳児の様子がわからなかったが
痛みに悲鳴をあげる父親を見て
おそらく怯えていたはずだ。



山手線を走らせるモーターに
私の髪の毛が巻き付く。


ギリギリとモーターが髪を締め上げて
痛みは増すばかり。


頭皮が剥がれるような痛みを感じ始めたとき
かみさんがハサミで巻きついた髪を切り
間一髪、難を逃れた。




呻き声と共に起き上がる私を
3歳児は呆然と見つめている。


その頬には涙の跡がある。
とても怖かったのだろう。


頭皮が剥がれるような痛みの中で
私は彼に何を伝えるべきか考えていた。




脱衣場の鏡で頭皮に異常がないことを確認して戻ると
私はソファに座り3歳児を膝に乗せて抱き寄せた。


「、、怖かったかい?」
「うん」


「そうか、気を付けないとね。
 山手線のモーターに髪が巻きついちゃったんだ。」


「人間はふざけているときが一番死にやすいんだ。
 ふざけて遊んでいると、取り返しのつかない事故が起きてしまう。」


「ふざけるなと言ってるんじゃあないよ。
 ふざけているときこそ、自分や誰かを傷付けないよう考えなさい。」




私は出来る限り優しく3歳児に語り掛けた。
3歳児は力無く「うん、わかった」とだけ答える。


彼は悪意から私に危害を加えようとしたわけではない。
故に私は彼を叱らなかった。


泣いたときが学ぶとき。
涙の数だけ学ぶ場面がある。


涙の跡を見れば
彼が父に悲鳴をあげさせた自分の行動を後悔し
反省していることは明らかだった。




次の日の朝
かみさんが珍しくフレンチトーストを作っている。
それを見ながら3歳児が言う。


「ぼく、おっかあがそれをやいてるあいだ、ぴるくるのんでまってる。」


3歳3か月になる彼は
日常のほとんどを自在にしている。


それに伴い事故につながる危険な行為も増えている。




今回は「ふざけているときは一番死にやすい」と伝えたが


かみさんにはいつも
「はしゃいでるときが一番(事故で)死にやすい」と伝えてある。


大きな怪我にならないよう
気を付けてあげたい。


ありがとう。