ホームレスから父に成る!

ホームレスだった男の育児と日々の雑感

おっぱいには敵わない

正午


かみさんが整体に行くと

1歳児、3歳児を置いて出た。


ついに幼児2人を

私1人で世話する日が来た。


体調はやや不良だが

それはいつものこと。




まずは昼飯だが


炊飯器に朝の残りの白飯が

大人で1杯分しかない。



私が焼き海苔を取り出すと

素早く1歳児が近寄り

海苔くれと手を上げる。


手の平より少し大きい焼き海苔を1枚

1歳児に渡すと笑顔。


3歳児は昼食時だけ許されている

タブレットでのYouTube視聴により大人しい。



切った焼き海苔に

スプーンで白飯を塗り

1歳児に渡す。


笑顔でモシャモシャと頬張る。


動画視聴に熱心な3歳児にも

同じものを作り口に放り込む。


これを繰り返して

子らの腹は満たされた。


リンゴを剥いて1歳児に渡し

残りの大部分が私の昼食となった。




14時


部屋の中で

なんとなく子らと過ごす。


午前中に降っていた雨が止んでいる。



「退屈だね」



公園でも行くかいと3歳児に声掛けすると

3歳児は二つ返事で頷いた。



1歳児と3歳児のオムツパンツを履き替え

寒くないよう着替え

ポケットティッシュと子らの飲む水のボトルを持ち

いざ公園へ。



雨が上がったばかりの公園には誰もおらず

大きな水溜まりが11月の寒空の下で待っていた。


躊躇うことなく3歳児と1歳児は

大きな水溜まりに入ってはバシャバシャとやる。


そのうち1歳児は水溜まりで尻もちをつき

幾度もやっては笑っている。



「風邪、ひくなよ」


私は形だけの声掛けをし

水溜まりに入った時刻を確認する。


寒空の下で1歳児が

腰から下を完璧に水溜まりに浸かって遊んでいる。


3歳児は少し成長したのか

靴をずぶ濡れにする程度で控えめだ。



公園に来て15分としないうちに

1歳児がずぶ濡れになり風邪をひいてしまうため

帰宅して風呂に入ろうと3歳児に提案する。


ほとんど抵抗なく提案は受け入れられ帰宅。




15時


1歳児と共に入浴。


風呂に入らないと居間に残った3歳児が

1人では寂しくなったか

風呂に入ると浴室のドアを開ける。



手早く頭と身体を洗い

長湯しないようさっと上がる。




16時30分頃


布団を敷いた室内をエアコンで暖かく整え

私は微睡んでいたが

ついに1歳児が泣き出した。



どうやら眠いようだが

寝る前におっぱいを飲みたいようだ。


かみさんはポリシーがあるのか

粉ミルクを絶対に買わない。


たしかにかみさんの母乳は

出始めると噴水のように大量に出るため

粉ミルクの出番はないのだが。



困った。



子らの世話には

根拠のない盤石の自信があるが

おっぱいだけはどうにもならない。


腹が減って眠い1歳児に

普段食べている物を勧めても強烈な拒否をするばかり。



布団で泣き続ける1歳児の対応を

私はいったん諦めて離れ

夕食のため炊飯器に米を入れ

3歳児の相手をする。


すると1歳児は

泣きながら寝室から居間に来てぐずる。


泣き疲れたか

やや泣き方がトーンダウンしている。




17時


かみさんが帰宅。


1歳児は慌てて駆け寄り

おっぱいで存分に腹を満たすと

けろっとしている。



父親がどれほど策を弄したところで

母親の温もりとおっぱいには敵わないのだと

かみさんに伝えると

かみさんは笑っていた。



私は無力感が押し寄せ

切なかった。


おっぱいさえあれば(粉ミルクでもいい)

完璧な立ち回りができるであろうに

それが物理的にできない無念を感じる。


1歳児を泣き疲れさせてしまったことで

気持ちが沈む。




子らを悲しませないよう

上手く立ち回れるよう努めたい。


ありがとう。