ホームレスから父に成る!

ホームレスだった男の育児と日々の雑感

3歳児 気持ちの10カウント

夕食


3歳児が

タブレットで動画を観ながら

食事をしたいと提案する。


この日はタブレットを夕食の直前から使い始めたため

1時間を消化しきれておらず。


私は短く考えて了承する。


「ただし、ご飯やおかずを落としたら

そこで動画は終わりだよ。

もう見れなくなるからね。」


3歳児は頷くと

夕食を食べながらタブレットで動画を楽しむ。




「動画、いつまで見れなくなるの?

1週間くらい? ずっと?」


かみさんが訊ねる。

私は意味を理解できず聞き直す。


「ご飯を落としたら

どれくらい動画を観れなくなるのかなあと思って。」




私は内心でかみさんからの質問に驚いたが

静かに説明する。


「あのね、ご飯を落としたくらいで

そんな追い込むような仕打ちはないよ。

いま観てるぶんが終わりだよっていう意味。」




子供を追い込むような決め事をして

躾けようとすることは


子に対する親のパワハラだよと

かみさんに伝える。




「数字がひとつでも間違っていたら

どうなるかわかってんだろうな?


そんなふうに

上司に言われたらどうだい?


今度レジ金に1円でも誤差があったら

時給100円下げるからな。


そんなふうに

店長に怒られたらどうだい?


仕事でさえ嫌な気持ちになるのに

穏やかに暮らしたい生活の場で」



小さな失敗でも許されないような

苦しい緊張状態で生活しなければならないなら

誰であれ歪みが出る。




注意もするし、叱りもしよう。


しかし悲しい気持ちに下げたままにしないこと

気持ちを明るく上げてあげること

これを心掛けたい。




かみさんと話し終わり

私は皿を洗い始める。


うっかり3歳児がスプーンを落とした。


3歳児と目が合う。


「動画は終わりの約束だね。」


私が言うと3歳児は

ああああんと泣き出した。


「また明日になさい。

落としたら今日は終わりの約束だ。」


こちらの様子を窺いながら

ああああんと3歳児。



私は伝える。


「泣いて要求を通そうとするときは

私はそれに応じないと、いつも言っているはずだ。」


ああああんと

3歳児は強く泣く。


「約束だ。よく考えなさい。

明日はいつもどおり見ていいんだからね。」



しばしの間、アピールするように

ああああんとやっていたが

かみさんが魔法の言葉を唱える。


「もういいでしょ。

はい、あと10を数えるまで泣いたら終わりね。

10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、」




かみさんは3歳児に

よく10カウントを使う。


パンツを履かないとき

ズボンを履かないとき

排便したままテレビを見続けるとき


10カウントを唱え終わると

かみさんは3歳児に手を貸さない。


3歳児は自分で

ズボンやパンツを履かなければならない。


それが嫌で10カウント中に

行動する習慣がある。



かみさんが10カウントを用いて

3歳児の気持ちを立て直す。




皿を洗い終えると

3歳児が私のもとに来て言う。


「、、おとーしゃん、、

すぷーん、おとして、、ごめんね、、」


「ん?、ああ、いいんだよ。

誰だって失敗することはあるからね。」


「おとーしゃんも?」


「ああ、俺も失敗するし

おっかーも失敗することはあるよ。」


3歳児は私の顔を見上げている。


「でも約束は守ってくれよな。」


「うん!」




私は冷蔵庫から

数本ほど残っていたポッキーを

3歳児に渡す。


「たべていいの?」


「ああ、風呂に入る前に約束したろ。

ごはん食べたら食べていいよって。」


「ありがと!」




彼は笑顔で歯磨きを済ませ就寝した。


ありがとう。