ホームレスから父に成る!

ホームレスだった男の育児と日々の雑感

家族の食卓

夕食

食卓を囲む私を親と見たとき


南家に4歳児

北家にかみさんが座る。


1歳児は南家に一応の席があるが

基本的にどこで食べても自由だ。


幼児は落ち着いて座っていられない。


頬張り、咀嚼する時間さえ

じっとしているのがもったいないようで


口の中の物が美味ければ

ぴょこぴょこ飛び跳ねては

手を叩いて食べている。




しばらく前からたびたび

1歳児は食事の際に

東家と北家の間に立っては

両手を大きく左右に伸ばす。


それを合図に

ゆっくりと私とかみさんは1歳児に顔を近づける。


1歳児は近づいてきた2つの顔を

大切に抱きしめるような格好だ。


このとき私は

なんとも形容できない幸せな気持ちに満たされる。


最近ではこれに4歳児も加わり

1歳児が両手を広げると

食事を中断して3つの顔が集まる。


1歳児は

3つの顔を優しく抱きしめながら笑顔だ。




幸せとはなんだろうか。


これまでにも幾度と無く湧き上がり

考え続けなければならない疑問だ。


万人に共通する

普遍的な意味での

幸せとは何か。




1歳児の小さな胸に顔を寄せる。


拳ひとつもない距離に

妻と4歳児の笑顔があり

それらを呼び寄せた主もまた笑顔だ。




食事を終えて

歯を磨き

就寝。


先程の笑顔の主たちは

寝息を立てている。




体力的に問題はあるが


心身ともに

気は満ちている。


笑顔が気を満たしてくれる。




台風は日本海に抜けて北上を続ける。

外は静かに

鈴虫の鳴き声がするばかり。


1歳児が産まれたときが

こんな夜だったか。


まだ私は歩くことができる。

この笑顔に報いたい。


安宅正路



ありがとう。